生産者の紹介

農林水産大臣賞受賞:三浦清市・克暢(カネトウ三浦茶園)

~よいお茶はよい土壌から~

<プロフィール>
三浦清市・克暢(みうら せいいち・よしのぶ)
カネトウ三浦茶園/静岡県島田市

昭和初期には既に栽培を始め、昭和28年に自前の茶工場を建設。自園自製となり、現在に至る。「良いお茶は良い土壌から」を心がけて土づくりから丹精込めて丁寧にお茶づくりを続け、静岡県総合茶園地共進会にて農林水産大臣賞の受賞(親子二代での受賞)。また、皇室への献上茶園に指定されるなど品質の高いお茶作りで知られる生産者。


この度、克暢さんが「県内の茶農家が経営力を競う2011年度県総合茶園地共進会(JA静岡経済連、県茶業会議所主催)」で農林水産大臣賞を受賞し、親子二代での農林水産大臣賞受賞者となりました。
↑クリックで受賞の新聞記事がご覧いただけます。


◎農林水産大臣賞の受賞とはすごいですね。どのような特徴があるのですか?

お茶の木の育て方には、大きく分けると「芽重型(がじゅうがた)」と、「芽数型(がすうがた)」の2つがありますが、うちの農園ではやや「芽重型(がじゅうがた)」の育て方をしています。芽重型は、一本の木にできる新芽の数を減らし、一つひとつの芽を大切に育てるので、芽が上に向かって良く伸びます。

◎なぜそのような高品質の茶葉が育つのですか?

この農園では、苗木を植えてから成園となるまでの期間、幹が太く丈夫になるように気を付けて育てています。また、有機質の肥料を中心に栽培しているのですが、霧が発生しやすいこの土地そのものが、お茶の育成に向いています。いろんなことが全部あわさってよい茶葉ができるので、ひとつひとつの木を丁寧に見ています。お茶の木との会話がうまくいってるんでしょうね。

◎土壌づくりにもこだわっていらっしゃるようですね。

良い(おいしい)お茶は良い生葉から、よい生葉は良い茶の木から、良い茶の木は良い土壌から。すなわち、「良いお茶は良い土壌から」を心がけて土づくりから丹精込めています。土づくりはとても大切なので、毎年土壌改良のため、秋~冬にかけて、草やワラ・カキ殻を中心とした有機物を投入しよい土壌を育てています。


三浦さんの茶園は品評会でも高い評価を受けています。
↑クリックでJA発表の関連記事がご覧いただけます。

◎お茶づくりは自然相手でもあり大変なこともあるのではないでしょうか?

春先の遅霜や低温の心配、夏の猛暑や水不足など、その年によって育成の条件が変わりますので、同じような栽培(施肥や防除、摘採)を行っても、異なる結果がでてしまう事がままあります。ですから、天気や、木の状態、土の状態をよく見て、その時々にあわせたお茶づくりを丁寧にやっています。

◎一面のお茶畑は、とてもよい景色ですね。

一番茶の時期に茶畑一面に、きみどり色(もえぎ色)のじゅうたんが敷かれたようにきれいに芽が出ます。刈取り時期に茶園に行く甘い香りがするんですよ。生葉をそのまま食べても甘味がある。この時期はやっぱり嬉しいですね。


◎三浦さんのお茶を飲んでいる方に一言。

日常茶飯事という言葉があるくらい、お茶は私たちの生活と密接に結びついています。また、お茶は健康飲料としても注目されているので、引き続き多くの方に永くご愛飲頂けるように、手を抜かずに丁寧なお茶づくりを心掛けていきます。

下湯日茶農業協同組合

~丁寧なお茶の育成に欠かせない“人の力”と“機械の強み”~

<プロフィール>
下湯日茶農業協同組合/静岡県島田市
昭和60年3月。“自然とむき合いお茶の味を守る”という思いに共感するのお茶生産農家14戸が参加。安全・安心で信頼性の高い静岡茶を安定的に生産していることを評価し認証する“T-GAP”を早期取得するなど、高いレベルでの品質管理を積極的に行うお茶の生産者組合。


◎この茶園の茶葉の良い点を教えてください。

大井川の南に位置する私たちの茶園は、大井川が作り出した肥沃な土地のおかげで、お茶づくりには最適な条件が備わっています。また、深蒸し茶をおいしく作るために芽重型の茶園を作り、秋整枝の指導も行っています。

◎下湯日茶農協さんだからこそできる取組みは何ですか?

乗用機械による摘採が80%位あることです。均一な生葉の摘採ができ、収穫時間を短縮して鮮度を落とさないなど美味しいお茶づくりに貢献しています。また、有機質肥料を主体に茶農協独自の肥料設計を行い、天気や地温を見ながら施肥を行い効率よく肥料成分を茶葉に吸収してもらったり、散水設備を増やし乾燥しやすい夏場にも最適な水分を補えるよう努力もしています。

◎“人の力”と“機械の強み”をうまく利用されていますね。

丁寧なお茶づくりを行うために機械の力も必要です。他にも、ECセンサーの設置で、肥料・水分の状態をパソコンから見ることができるように品質管理を行っています。

◎消費者の皆様にメッセージをお願いします。

幕末に、中条影昭を中心とした武士たちが川越人足達と一緒に、この地にお茶を植えたのがはじまりで、今もお茶づくりが行われています。深蒸し茶がもつ、まろやかな味と爽やかな色をこれからもずっと楽しんでもらえるよう、今後もよいお茶づくりに取り組んでいきます。


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