多種多様なお茶から、自分好みの一杯を
スーパーマーケットや百貨店、道の駅などのお茶コーナーに足を運ぶと、実にさまざまなお茶に出会うことができます。国内産はもちろん海外産のお茶もありますし、煎茶、紅茶、ほうじ茶、番茶、抹茶、玉露など、実に多種多様で、どれにしようか迷ってしまうことも多いでしょう。日本で生産されるお茶は、そのほとんどが緑茶ですが、育て方や仕上げ加工の違いによって、味わいや香り、色味が異なってきます。多岐にわたるお茶の違いを知って、自分好みの茶葉を見つけてみましょう。数々のお茶の中から、今回は代表的なお茶について、その特徴を簡単にご紹介します。
■煎茶(せんちゃ)
煎茶は、もっともポピュラーなお茶だと言えるでしょう。飲食店や旅館などでも、おもてなしの一杯として出されることが多いです。お茶をつくる工程の中で茶葉を蒸す時間が短いので、「浅蒸し茶」や「普通蒸し茶」とも呼ばれています。お茶の緑色が薄く、透き通っているのが特徴です。
一般的な煎茶よりも、2~3倍の時間をかけてじっくり蒸したお茶が、深蒸し茶(ふかむしちゃ)です。葉が細かくなった粉が多く含まれているので、お茶の色と味が濃くなっており、味わいによりいっそうの深みが感じられます。
■番茶
毎年9月頃から摘まれ始める、かたくなった茶葉や茎などを原料としてつくられるお茶です。タンニンが多いため、さっぱりとした味わいの中にも渋みを感じることができます。カフェインが少なく、妊婦の方や授乳中の方をはじめ、お子さんや高齢者の方など、幅広い方におすすめです。家族で飲める日常づかいのお茶にぴったりです。
ちなみに、煎茶や番茶を火入れ工程の際に強火で炒ったお茶が、ほうじ茶です。香ばしい香りと、透き通った茶色のお茶が特徴です。ほうじ茶もカフェインが少なく、どなたにも飲みやすいタイプで、寝る前に飲んでも安心です。最近は、ミルクや砂糖を加えたほうじ茶ラテも人気になっています。
また、煎茶や番茶に、高圧で炒った玄米を加えたお茶が、玄米茶です。煎茶や番茶のさっぱりとした味わいに、玄米の香ばしい香りが加わって、お茶の深い味わいを楽しむことができます。
■紅茶
緑茶をつくる過程で、茶葉を発酵させたものが紅茶です。発酵の度合いによって、まったく新しい味わいになることが魅力のひとつと言えるでしょう。紅茶の産地といえばインドやスリランカが有名ですが、最近では日本産の和紅茶も増えています。日本の豊かな風土で育まれた和紅茶の味わいは、格別です。日本ではお茶に砂糖やミルクを入れることは少ないですが、和紅茶は無糖でも加糖でも飲みやすくなっています。
<まとめ>
いかがでしたか。同じ茶葉から、さまざまな味わいのお茶が生まれているのが、お茶のおもしろさのひとつです。ぜひいろんなお茶を飲んでみて、お気に入りの味わいを見つけてくださいね。1日のうち、朝に飲むか、夜に飲むか、食事と一緒に飲むか、リラックスタイムに飲むかなど、時間やシーンによっても、お気に入りのお茶はきっと変わるはず。さまざまなお茶をストックしておいて、時間やシーン、気分によって飲みたいお茶を楽しんでくださいね。