お茶に合う和菓子で、春を楽しむ
お茶そのものの本来の味わいを感じるためにも、お菓子と一緒にお茶を楽しみませんか。茶道では、お菓子の甘みによってお茶の味が際立つため、濃茶でも薄茶でもお菓子をいただいてからお茶を飲みます。もちろん茶道だけでなく、日常的にお茶を味わう際にもお菓子はぴったり!お菓子といっても和菓子から洋菓子までさまざまですが、今回は春らしい和菓子とお茶をご紹介します。
桜餅に合わせて渋めの煎茶を
桜の葉でピンク色の餅菓子を包んだ桜餅。春の和菓子の代表格と言えるのではないでしょうか。桜の葉で包むことで桜の華やかな香りを楽しむことができ、塩漬けされた葉っぱがあんの甘さをより際立たせてくれます。葉っぱが苦手な方は、取り除いてお餅だけ食べるのでももちろんOKです。
桜餅には関東風、関西風のものがあります。関東風は、小麦粉を水でのばして薄く焼いた生地で小豆あんを包んだタイプで、「長命寺」とも呼ばれています。関西風は、もち米を蒸してから乾燥させ、粗挽きした道明寺粉の皮で小豆あんを包んだタイプで、「道明寺」とも呼ばれています。
どちらの桜餅でも桜の香りと小豆あんの甘さを味わえるので、適度な苦味や渋味のある煎茶がぴったりです。温かいお茶と一緒に味わうことで、桜餅の甘さもお茶本来の旨味もより深く感じられます。
よもぎ餅には、苦みや渋みの少ないほうじ茶を
春に芽生える「よもぎ」。日本各地の山野に自生するキク科の多年草で、3月~5月頃に姿をあらわす若い芽が食用とされます。天ぷらやおひたし、和え物、汁物などに使われますが、和菓子にも愛用されています。餅や団子に摘み立てのよもぎを混ぜて作る「よもぎ餅」は「草だんご」とも呼ばれ、古くから親しまれてきました。皮によもぎを混ぜて、あんこを包むことが多いです。よもぎならではのほんのりとした苦みと草の爽やかさを感じられます。
よもぎ自体に爽やかな苦味があるため、合わせるお茶はほうじ茶がオススメ。ほうじ茶は苦みや渋みがほとんどなく、口当たりがあっさりしていて、独特の香ばしさを楽しめます。よもぎの自然な味わいと合うこと間違いなしです。
上品な甘味の上生菓子には、お抹茶を
和菓子の中でも高級品に分類される上生菓子。練り切り、羊羹、こなし、求肥などが上生菓子と呼ばれています。古くからお茶席で濃茶とセットのお菓子として登場しており、美しい芸術的な細工や鮮やかで風流な色合いが特徴です。春の上生菓子としては、「うぐいす」「春がすみ」「桜」「山吹」「あやめ」「早苗」といった名前のものが多いです。
上生菓子は、しっかりとしていて食べ応えがあります。口当たりが滑らかで、味わい深い風味なので、抹茶がオススメ。抹茶といっても本格的に点てるのではなく、気軽な粉末抹茶でも十分に楽しめます。上生菓子の甘味と、抹茶の渋み・苦みがマッチして、より味わい深くなります。
<まとめ>
いかがでしたか?お茶と一緒に和菓子をいただくことで、お茶の味わいをより楽しむことができます。自分の好きな味わいの和菓子を見つけるために、お散歩がてらお店めぐりをするのも楽しいですね。いろんな和菓子とお茶の組み合わせを味わってみて、ベストマッチな組み合わせを見つけてみませんか。