吸収率が5倍に!?緑茶の健康成分をパワーアップさせる、食べ合わせとは?


緑茶にはカテキンやテアニン、カフェインやビタミンCなど健康成分が豊富に含まれています。そのため、研究者たちからの注目度も高く、これまでにも抗菌、抗ウイルス、生活習慣病予防など、さまざまな作用が明らかになってきました。毎日継続的に緑茶を飲むだけでもその恩恵を受けられるようですが、実はよりその作用が高まったり、一緒に摂った食材のマイナス要素を軽減できる食べ合わせがあるらしいのです。そこで今回は、私たちの健康維持に役立つ、緑茶の気になる食べ合わせをご紹介します。

■まずは緑茶の成分の特徴を知ろう

緑茶に含まれる主な成分

・カテキン
ポリフェノールの一種。含まれる成分の中でも高い健康作用で知られ、トクホ商品も多数。緑茶には、緑茶特有の茶カテキンほか、実に多くのカテキンが存在し、抗酸化作用、抗菌作用、抗ウイルス作用、血中コレステロール低下作用、体脂肪低下作用など、実にさまざまな作用が明らかになっています。また、ビタミンCを一緒に摂ると吸収率が5倍もアップするといわれています。

・テアニン
お茶の旨みのもととなる、アミノ酸の一種。茶葉の中でも、一番茶や玉露に豊富に含まれています。テアニンには興奮抑制作用や、脳神経細胞の保護作用、リラックス作用があるといわれ、睡眠改善用のサプリにも使用されています。緑茶には多量のカフェインが含まれていますが、このテアニンがカフェインの興奮作用を適度に抑えることが分かっています。

・カフェイン
眠気を防いだり、気分がシャキッとしたり、運動能力が向上するなど、交感神経を高める覚醒作用や利尿作用があります。

・ビタミンC
抗酸化作用だけでなく、コラーゲンの生成にも大切な成分。カテキンの吸収を助ける作用もあります。

■緑茶と一緒に摂りたいおすすめの栄養素は、ビタミンC?

実は、緑茶が高い健康作用を誇る理由の一つといわれているのが、含まれる成分どうしの補完関係です。カテキンの作用を高めるビタミンCやカフェインの興奮作用を抑制するテアニンなど、成分の長所を高め、短所を補う関係が緑茶内ですでにできあがっているのだとか。例えば、ビタミンCの多いものを食べ合わせることで、カテキンの吸収率が5倍もアップするといわれています。

●緑茶にぴったりな、ビタミンCの多い食べ物

・レモン、グレープフルーツなど柑橘類
・赤ピーマン、黄色ピーマン
・キウイ
・イチゴ
・菜の花
・ブロッコリー

また、カテキンやカフェインは脂肪の吸収を抑えたり、脂肪の代謝を促進したりする働きがあるといわれているため、脂肪分の多い食事やおやつの飲み物としてもおすすめです。さらに、テアニンを含め、緑茶には旨み成分(アミノ酸)が豊富に含まれています。この旨み成分は昆布と同じグルタミン酸の仲間で、鰹だしなどに含まれるイノシン酸やキノコ類などに含まれるグアニル酸などと掛け合わせることで、おいしさがぐんとアップすることが知られています。食事と一緒に緑茶を飲む日本人の習慣は、料理がよりおいしくなる、昔ながらの知恵でもあったんですね。

参考文献:
出版社:世界文化社 監修:東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部
「その調理、まだまだ9割の栄養捨ててます!」

<まとめ>

いかがでしたか?食べ合わせの中でも、相性がよいといわれているビタミンC。レモンなどを緑茶にまぜるとお手軽ですが、苦手という人はレモン水などを一緒に飲んでも大丈夫なのだとか。風邪も流行りだすこの季節、ぜひ毎日の緑茶習慣にビタミンCをプラスしてみてくださいね。