「水素水は効果がある?ない?」評価が分かれる水素水のメカニズムを解説


健康意識の高まりを受けて、食べ物にこだわる人が増えている昨今。中でも、水にこだわりを持つ人が増えています。ミネラルウォーターや炭酸水などと並んで、注目を集めているのが、水素水。体に良いと言われる水素水ですが、その一方で「水素水は効果がない」という声を耳にすることも少なくありません。そもそも水素水とはどんなもので、どんなメリットがあるのでしょうか。そして、評価が分かれる理由とは?水素水のメカニズムをひも解いて、疑問を解決してみましょう。

水素水とは?

水素水は、水素を含んだ水のこと。無味、無臭、無色で、見た目には普通の水との違いは分かりません。ですがその用途は幅広く、極めて高い製造精度が求められる半導体や液晶の洗浄水として工業用に使われたり、作物の育成を促進するために農業用に使われたりしています。当然ながら食品分野にも広まっていて、生鮮食品や加工食品の保存期間を長くするために水素水を用いる研究が日々行われています。

水素水にもいくつかの種類がある

ひと口に「水素水」と言っても、実は作り方の違いによっていくつかの種類があります。その種類は、大きく分けて3つ。以下に挙げる製造方法が、一般的に広まっています。

水素ガス充てん法

アルミパウチ素材の容器などに入れて販売されている水素水の多くが、水素ガス充てん法を採用しています。作り方は、飲料用の水に高圧でガスを充てんするというもの。ベースが飲料用の水なので、その風味を生かしたまま水素水に加工できる点が優れています。ですが、水素はガスなので、時間の経過とともに抜けていってしまうのがデメリットです。

マグネシウム触媒法

水とマグネシウムを化学反応させて作るのがこの方法。専用のステックタイプのマグネシウムが市販されていて、いつでも手軽に出来立ての水素水が手に入る点がメリット。デメリットは、化学反応が起こるまでに時間がかかること。数十分から数時間が必要になります。

電気分解法

水に電圧をかけて、水素と酸素を発生させ生成する方法です。水素水サーバーや生成器で採用されている方法で、蛇口に機器を接続して連続して水素水を生成できるなど、非常にメリットが多い作り方。導入コストがかかる点はデメリットですが、長く使えばペットボトルやアルミパウチ包装の製品を買うよりコストも安くなります。

水素水は体にいいの?効果はあるの?

水素水の効果や効能に関しては、個人の受け止め方や感じ方の違いがあるので明確には言えませんが、医療機器として承認を受け、広く医療分野で導入されている実績があります。きちんと承認を受けた機器で生成した水素水では、消化不良、慢性の下痢、便秘、胃酸過多などにおいて効果が認められています。

水素水の効果が疑われる理由

医療分野でも広く使われる水素水ですが、「効果がない」という声も多い理由は、水素そのものがガスであり、生成直後からどんどん水から抜けてしまうからです。ペットボトルや缶はもちろん、気密性の高いアルミパウチ入りであったとしても、ガスが開放されてしまうことは避けられず、効果の根拠を疑う意見につながっていると考えられます。また、マグネシウム反応で作った水素水も、医療的には効果が認められていない場合があり、電気分解法で生成した電解水素水が、もっとも効果が期待できると言えるでしょう。

電解水素水は水出し茶に最適

水素水とお茶の相性は決して悪くありません。特に適しているのが、水出し茶です。通常、普通の水で水出し茶を作る際には、数時間程度が必要です。煮出すよりも時間がかかります。ところが、電解水素水の場合は、茶葉を入れた瞬間から抽出が始まり、通常のおよそ半分程度の時間で作れます。さらに、茶葉の量も2/3程度でよく、コストメリットも十分です。風味も高く、茶葉が本来持っているポテンシャルを引き出してくれる点においても、電解水素水と茶葉の相性はバツグンです。茶葉の奥行きある風味が味わえる水素水でお茶を楽しんでみてはいかがでしょうか。