湯呑でお茶の味わいが変わる?用途やライフスタイルに合った最適な湯呑の選び方


「湯呑」と一口に言っても、形や柄、素材や大きさなど実に多種多様です。どうして湯呑にはたくさんの種類があるのでしょうか。実は、用途や目的に応じて機能性を考えた形や素材が選ばれているのです。湯呑の正しい選び方を知らないと、恥ずかしい思いをすることも。使う人や季節、シーンに応じた最適な湯呑の選び方を解説します。

お茶の種類で湯呑を使い分ける

湯呑にはいろんな種類、形、色、大きさがあり、使う場面や目的、お茶の種類によって適したものがあります。湯呑が違うからと言って、汲んだお茶の成分が変わるわけではありませんが、感じる味わいは随分と変わるものです。イメージしやすいのが、陶器の湯呑とガラスの湯呑。熱々でお茶を楽しみたい場合は、もちろん陶器の湯呑が向いています。もしガラスの湯呑で熱々のお茶を出されたら、なんだかちぐはぐした感じがするでしょう。一方、キンと冷えたお茶に合うのはガラスの湯呑。見た目にも涼しく、爽やかにのどを潤してくれるでしょう。このように、湯呑とお茶の相性で味わい方が大きく違ってくるのです。

お客様をもてなすなら汲出を使うのが基本

よほど親しい間柄の相手でなければ、お客様にお茶を出す際には湯呑ではなく「汲出」を使うのが基本です。汲出は湯呑よりもフォーマルなもので、蓋付のものが多く使われます。筒形の湯呑とは違って口が広くなっており、お茶の色が鮮やかに見え、上級煎茶や玉露など嗜好性の高いお茶に最適。茶托やお茶うけとの組み合わせを工夫したり、季節に合った絵柄のものを選んだりするのが粋なはからいです。

普段使いのおすすめは冷めにくい陶器の湯呑

湯呑の素材で代表的なのが「陶器」「磁器」「ガラス」の3つ。それぞれの特徴に応じた使い分けをしてみましょう。

陶器の湯呑

土の自然な風合いや質感があり、釉薬でさまざまなデザインを施されたものがあります。素朴で温かみを感じられる他、厚みも十分にあるためお茶が冷めにくいのが特徴。普段使いにもっともおすすめしたい湯呑です。

磁器の湯呑

陶器に比べて薄く滑らかな仕上がりが美しい湯呑。白や淡い色合いのものが多く、上品な印象を与えてくれます。見た目にうつくしく、お茶の色がもっとも映える湯呑と言えるでしょう。薄い造りになっているので熱々のお茶を入れると持てなくなるので注意が必要です。

ガラスの湯呑

冷たいお茶を爽やかに楽しむなら、ガラスの湯呑が一番です。光を通すのでお茶の色合いが鮮やかで、清涼感を演出するには最適な湯呑と言えます。もちろん熱いお茶にも使えますが、ガラスは温度変化に弱いため、熱いまま注ぐ際には十分注意してください。熱さを気にせず使いたい場合は、耐熱ガラス製の湯呑を選べば安心です。

しっかりお手入れをしてお気に入りの湯呑を長く愛用しよう

陶器・磁器・ガラスのいずれの湯呑も、衝撃に弱いため十分に注意して、乱暴に扱ったり、誤って落としたりしないよう丁寧に使いましょう。普段は他の食器と同じように洗っておけば十分ですが、茶渋の汚れが目立つようであれば、メラミンスポンジなどで擦り洗いすればきれいになります。やってはいけない洗い方は、長時間のつけ置き洗い。陶器は吸水性が高いため、素地が汚れの成分を吸収してシミやカビが繁殖する原因になることがあります。お手入れにも気をつけて、お気に入りの湯呑をぜひ長く愛用してください。