夏だから気をつけたい茶葉管理のポイント!


夏は高温多湿の季節ですから、食材の保存には気を使いますよね。細菌やカビが繁殖し腐敗するのはもちろん、酸化するだけでも味や香りは落ちてしまいます。
せっかく購入した茶葉をできるだけ美味しく飲み続けるためにも、夏場における茶葉管理は特に注意していきましょう。

茶葉を傷ませないために

腐敗は言わずもがなですが、口に出来るけど変色や酸化で味が変化しているような「傷み」も避けたいものです。

茶葉はまず酸化に注意

茶葉に限らず、大抵の食品は「開封後早めにお食べ下さい」という注意書きがありますよね。これは空気中の酸素に長く触れていると、食物に含まれる成分―茶葉の場合カテキン類、ビタミンCなど―の酸化(発酵)が起こるためです。
酸化が起こると変色が起こり、茶葉の場合は赤っぽくなります。お茶の苦み成分であり、味を左右するカテキンは、酸化することで渋み成分のタンニンに変わるため、味わいの変化に繋がってしまいます。
酸化すると食物内の成分が変わり、風味が変化してしまうため、空気に触れないような保存がすすめられているのです。

夏場は湿気にも注意

水分や湿気は、食材を腐敗させる細菌やカビなどの微生物を増やしてしまいます。昔から湿度が高く、食材が腐りやすかった日本は、常温で数カ月以上の長期保存をできるようにした「乾物」をつくってきましたが、茶葉は乾物ではありません。一般的な緑茶の茶葉は3%程度の水分を含んでいると言われており、特に夏は湿気の多い時期ですから、他の季節に比べてなるべく早めに飲むことが大事です。

高温や光も傷むきっかけに

細菌やカビといった微生物の多くは、室温(約 20℃)で活発に増殖し始め、人間や動物 の体温ぐらいの温度で増殖のスピードが最も速くなると言われています。また直射日光(紫外線)は緑茶の色素である葉緑素を退色させてしまい、お茶の色も変化してしまうことを覚えておきましょう。

保存方法のコツ

以上から、茶葉の保存方法のコツは「いかに細菌やカビを増やさないか」「いかに酸素に触れないか」ということになります。ただ、開封後の茶葉は気を配っても少しずつ劣化が進んでいくため、まずはできるだけ早く飲み切るように心掛けましょう。

密封性の高い容器に移して保存

ボトルはもちろん、最近は密封パックもあります。同じ茶葉をずっと繰り返し保存していく場合はボトル型の容器、匂い移りが気になるなら使い捨ての密封パックなど、用途に応じて容器は選んでいきましょう。

温度変化の少ない場所に保存

温度差が激しい場所に置いておくと、せっかく密封性が高い容器を用意しても、中で結露が発生する場合があります。前述したように、水分は茶葉の劣化につながりますので、温度変化の少ない場所、できれば低温の場所に保存しましょう。そういう意味で、冷蔵庫などは保存場所として実に有用だといえます。

開封後の茶葉はどうしても劣化が進んでいくもの。もしとびきりの茶葉を購入された際は、どうぞこの記事を参考に、できるだけ最高の状態でお茶を楽しんでいただけると幸いです。