旬に味わう新茶ならではの旨味
毎年4~5月は、新茶の季節です。その年の最初に摘まれる新茶は、冬の間に栄養素をたっぷりと蓄えており、格別に美味しいと言われています。ここでは、新茶の定義や時期、特徴、美味しい理由、美味しい淹れ方について、ご紹介します。旬の季節にだけ楽しめる新茶の旨味、一番茶ならではの若々しく爽やかで清々しい香りを、ぜひ味わってみてください。
そもそも新茶とは
新茶とは、一年の中で最初に収穫された新芽で作った「一番茶」のことです。お茶は、チャノキと呼ばれるツバキ科の永年性常緑樹に生えている新芽と葉っぱを摘み取って作られます。太陽光をあまり浴びていない新茶の葉はやわらかく、生命力に溢れています。
一度摘んだ後も芽と葉っぱは伸びてくるため、一年のうちに3~5回も収穫することができます。その摘まれた順に沿って一番茶・二番茶・三番茶と呼ばれ、一番茶だけが、初物という意味を込めて「新茶」と呼ばれるのです。一方で昨年より前に摘まれた芽と葉っぱで作られたお茶は、「古茶(こちゃ・ふるちゃ)」などと呼ばれています。
新茶の時期
地域差や温度差によって、新茶の収穫時期は異なります。日本は南北に長いため、一番早く収穫が始まる九州エリアでは、4月上旬から新茶の初取引が始まります。静岡・京都・三重は4月下旬で、奈良や滋賀などでは5月上旬頃が新茶のシーズンです。
新茶が美味しい理由
お茶の木は、気温が15℃以下になる11月頃から休眠し、枝や葉にたっぷりと栄養を蓄えます。そして気温の低い季節の中で、ゆっくりと時間をかけて育っていきます。そのため新茶には、甘み・旨み成分であるテアニン(アミノ酸の一種)が、二番茶以降のお茶と比べて最も多く含まれているのです。旨み成分が豊富に含まれているからこそ美味しく、初物として重宝されています。甘み・旨み成分であるテアニンと、苦み・渋み成分であるタンニンのバランスが良いことで、新茶ならではの美味しさを感じることができます。
新茶の美味しい淹れ方
新茶ならではの美味しさを味わうには、甘み・旨み成分であるテアニンと苦み・渋み成分であるタンニンをバランスよく抽出することがポイントです。茶葉の量を多めにして、濃いめに淹れたほうが美味しく飲めます。
苦み・渋み成分であるタンニンは、高温のほうがよく溶け出されます。そのため、甘み・旨み成分のテアニンを重視する場合は、70℃程度のぬるめのお湯でじっくりと淹れましょう。ぬるめのお湯を使う場合は、一度沸騰させてから冷ましていくのがポイントです。
逆に90℃ほどの高温のお湯で淹れると、タンニンの抽出が増えて渋みと清涼感が高まり、若葉のような爽やかで清々しい香りを強く感じることができます。一煎目は低温で淹れて新茶の甘みや旨みを存分に味わい、二煎目や三煎目は高温で淹れて渋みと香りを楽しむというのもオススメです。お好みに合わせて淹れ方を変えてみてくださいね。
<まとめ>
いかがでしたか?新茶は毎年4~5月にしか味わえない旬のお茶です。大井川茶園では新茶のキャンペーンなども実施しています。縁起物として贈り物にも喜ばれる新茶。ぜひ新茶ならではの美味しさを堪能してみてくださいね。