緑茶とみかんのフードペアリングで、健康的な体を手に入れよう!
「楽して痩せる」。一度でもダイエットをしたことがある人は、このワードのもつ不可能性をひしひしと感じているのではないでしょうか。それは、食事を減らし、運動をしてはじめて手に入れられるものだと。今回ご紹介する緑茶研究は、そんな私たちに希望の光を灯してくれるお話です。緑茶に含まれるカテキンの抗肥満作用は知られていますが、十分な効果を得るためにはこれまでかなりの量を摂る必要がありました。ところが、緑茶とみかんが合わさると通常の量でも抗肥満作用を期待できるのだそうです。そんな緑茶とみかんにおけるフードペアリングの秘密にせまります。
柑橘類に含まれるポリフェノールが秘密の鍵
緑茶同様、自然界に存在する植物の多くに独自のポリフェノールが存在しています。実はみかんなどの柑橘類の皮や薄皮、筋などにも、中性脂肪低下作用や血流改善作用があるヘスペリジンというポリフェノールが含まれており、みかんの皮は「陳皮」として古くから漢方薬に用いられてきました。今回、九州大学と北海道情報大学、トヨタ自動車の共同研究チームは、この柑橘類のポリフェノールと緑茶の併用摂取が健康機能に与える影響を調べるため、ヒトを対象とした試験を実施。30~75歳の健康な日本人60名をプラセボチームと緑茶に柑橘系ポリフェノールを混ぜたペアリング茶を摂取するチームに分け、それぞれ12週間観察。結果、ペアリング茶を飲んだチームの方が、プラセボチームに比べ、体重およびBMI(体格指数)の増加が抑制されていました。さらに、このうち50歳未満の人では、内臓脂肪、体脂肪率、血中LDL/HDL比の増加も抑制されていたのだそうです。
緑茶とみかんを毎日適量摂取することで、試験と同じ効果が期待できる
九州大学大学院農学研究院の立花宏文主幹教授によると、急須で淹れた緑茶を1日に3~4杯程度飲みながら、みかんを3~4個食べることで、今回の研究結果と同程度の効果を得ることができるのだそうです。緑茶や柑橘系に含まれるポリフェノールには、抗肥満作用以外にもさまざまな作用があるため、健康維持にも役立ちそうですね。
参考:緑茶の抗肥満作用を柑橘由来成分が増強 ー食品成分の機能的な組み合わせ(機能性フードペアリング)の実証ー
<まとめ>
いかがでしたか?ポリフェノールは主に皮に含まれることから、野菜や果物は、皮も根も丸ごと食べる方が体に良いといわれています。まだポリフェノールの機能性などが科学的に証明される前から、生薬としてみかんの皮が重宝されてきた歴史をみると、皮をむき、筋を取り、時には薄皮さえもむいて食べることがなんだかもったいなく感じてしまいます。緑茶のでがらしや冬においしい大根やカブ、人参などの皮もポン酢と和えれば立派な一品に。日本人が大切にしてきた「もったいない」の精神を今こそ発揮して、健康成分を残さずたっぷりいただきましょう。