あなたは旨み派?苦み派?甘み派?好みの味に近づける、緑茶の淹れ方


同じ緑茶の茶葉なのに、淹れる人や日によって味にバラつきを感じたことはありませんか?苦みが強かったり、甘かったり、旨みがしっかり出ていたり。なかなか自分好みの味にたどり着けない人も多いはず。そこで今回は、あるポイントを押さえるだけでいつもの煎茶を何倍にもおいしくできる緑茶の淹れ方をご紹介します。緑茶には健康成分もたっぷり。夏の暑さで弱った体にも、ぴったりですよ。

ポイントはお湯の温度!抽出される成分の違いが味を変える

緑茶には、苦みや渋みの強いカテキンや旨みや甘みのもととなるテアニンなど、さまざまな成分が含まれていますが、実は成分によって抽出されやすい温度が異なります。そのため、お湯の温度を調節することで、好みの味に近づけることができるんです。

<高温で抽出されやすい成分>

・エピカテキン       苦み。カカオポリフェノールの主成分。
・エピカテキンガレート   渋み・苦み。緑茶特有のカテキン。
・エピガロカテキンガレート 渋み・苦み。緑茶特有のカテキン。強い抗酸化作用が注目されている。
・カフェイン        苦み。

高温で淹れると、主にカテキン類が抽出され、苦みや渋みの強いお茶になります。

<低温で抽出されやすい成分>

・アスパラギン酸  酸味。疲労回復作用や利尿作用もあり。
・アルギニン    苦み・甘み。成長ホルモンの分泌を促進し、免疫力を高める。
・グルタミン酸   旨み・酸味。昆布や椎茸にも含まれる天然の旨み成分。
・テアニン     甘み・旨み。リラックス作用が注目されている。
・エピガロカテキン 苦み。緑茶特有のカテキン。免疫力を上げる成分として話題に。

低温で淹れると、主にアミノ酸類が抽出され、甘みや旨みの強いお茶になります。

好みの味別、緑茶のおいしい淹れ方

苦み・渋み、旨み、甘みの3種類に分け、緑茶のおいしい淹れ方をご紹介します。

カテキンたっぷり!苦み・渋みの強い緑茶の淹れ方

・お湯の温度:80℃以上の熱湯
苦みや渋みのもととなるカテキンは、80℃以上の高温で溶け出しやすいとされています。香りを引き出したい場合にも、高温がおすすめです。

旨みもしっかり味わえるバランスのよい緑茶の淹れ方

・お湯の温度:70~80℃程度
70~80℃は、煎茶を最もおいしく淹れられる温度と言われています。高温では溶け出しにくかったアミノ酸が抽出され、苦みと旨みのバランスのとれたおいしい緑茶が楽しめます。玉露はもう少し低い50℃程度がおすすめです。

カフェイン少なめ!赤ちゃんでも飲める、甘い緑茶の淹れ方

・お湯の温度:水出し、または氷出し
水や氷でじっくり低温抽出するとカテキンがほとんど溶け出さず、甘くまろやかな味わいに。免疫力アップ作用が注目されているエピガロカテキンもたっぷり入ったこのお茶は、スーパー緑茶としても話題に。カフェインも少なく寝る前や赤ちゃんでも安心して飲むことができます。

参考HP:
日本カテキン学会「カテキンのいろは」
http://www.catechin-society.com/iroha.html

茶業研究報告「論説 緑茶の味と化学成分」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cha1953/1973/40/1973_40_1/_pdf/-char/en

<まとめ>

いかがでしたか?今回は、煎茶の味わいを軸に緑茶の淹れ方をご紹介しましたが、抽出できる成分によって健康作用も異なるため、体調に合わせて淹れ方を変えてみるのもおすすめです。また、煎茶以外の茶葉では抽出温度も変わってきます。パッケージの裏側やインターネットなどの情報を参考に、自分好みの淹れ方をぜひ見つけてくださいね。