知っている人は日本茶ツウ?一度は飲んでみたい日本の珍茶
世界には、見た目も味わいもあっと驚くような珍しいお茶がたくさんありますが、日本茶にも意外と知られていない面白いお茶があります。茶葉や製造方法もさまざま、栄養面も通常の緑茶とは異なり、その味わいも独特です。まるでワインのようなフルーティーなものや爽やかな酸味が感じられるものなど、一度飲むと癖になる!?そんな、知る人ぞ知る、日本の珍茶をご紹介します。
今や幻と呼ばれるお茶も!?日本の珍茶4選
日本の珍茶の多くは、地方に伝わる伝統茶です。昔ながらの伝統的な手法を用いて、今もその味わいが受け継がれています。
碁石茶
高知県大豊町に伝わるお茶です。カビ付けした茶葉を漬物と同じ要領で漬け込み、発酵させてつくります。漬物と同様乳酸菌が豊富で、昔から健康茶として親しまれてきました。歴史は古く、400年以上も前から製造され、江戸時代は土佐藩を代表する特産物の一つでしたが、今や幻のお茶と呼ばれるように。ドライフルーツのような味わいも感じられ、酸味や苦み、旨みなど味わいのバランスは、「まるでワインのよう」と表現されることも。ちなみに、茶葉の形や色が碁石に似ていることから、この名がつけられたそうです。
阿波番茶
徳島県の特産品の一つで、近隣の淡路島などでも飲まれています。通常の緑茶とは異なり、7月下旬以降、完全に成長した一番茶のみを摘み採り使います。釜ゆでしたあと、碁石茶と同じく1か月ほどしっかり乳酸発酵させるので、爽やかな酸味のある味わいが特徴です。
ぼてぼて茶
鳥取県出雲地方に伝わるお茶です。茶葉ではなく、乾燥させたお茶の花を煮出した番茶を茶筅で泡立てたもので、見た目の白い泡が特徴です。もともと、過酷な労働環境で働く製鉄所の作業員たちが、仕事の合間に立ったまま流し込むように食べていた労働食だと言われていて、お茶に煮豆や漬物、ぶぶあられなどを入れて一緒にいただきます。具が泡に落ちる際に「ぼてぼて」と音がすることから、この名がついたと言われています。
バタバタ茶
富山県朝日町に伝わるお茶です。日本では、珍しい中国の伝統茶「黒茶」が使われます。黒茶は、麹菌で数か月以上発酵させたお茶で、プーアール茶などがそれにあたります。この黒茶をぼてぼて茶同様、茶筅で泡立てていただきます。この際に使われる茶筅が、通常のものとは異なり、2本の茶筅が仲良くくっついた通称「夫婦(めおと)茶筅」と呼ばれるもので、家族の月命日や結婚・出産などのお祝い事の際に、ふるまわれるそうです。こちらのお茶も、茶筅で泡立てる際の「バタバタ」という音から名前がついたそうです。
まとめ
いかがでしたか?それぞれのお茶の由来については諸説あるようですが、その中でも代表的なものをご紹介しました。今回ご紹介したもの以外にも、日本にはまだまだたくさんの珍茶があります。例えば同じ茶葉を使っていても、製法や点て方によってまったく異なる味わいが楽しめるので、ぜひ旅行に行かれた際には、ご当地の珍しいお茶を探してみてくださいね。