お茶に浮くホコリ?!「毛茸(もうじ)」とは?


新茶がおいしい季節です。この時期しか味わえない、さわやかな風味は格別ですね。ところで新茶を淹れたとき、水面にホコリのようなものを見かけたことはありませんか?「何だろう?」「ゴミかな?」などと不思議に思われた経験がある方もいると思います。今回はそのホコリの正体、「毛茸(もうじ)」についてご紹介します。

毛茸とは

新茶を飲むときに表面に見える白っぽいほこりのようなものは「毛茸(もうじ)」と呼ばれています。
毛茸とは、茶葉が新芽から葉になる直前のごく短い間だけ生えている産毛のようなもの。若い新芽の裏側に生えており、害虫や強すぎる日光などから幼い葉を保護する役割があります。

幼く柔らかい葉は成長するにつれて硬くなるため、次第に毛茸の役割が必要なくなります。つまり毛茸は茶葉が若くて柔らかい新芽の時期だけに生えるものなのです。その産毛が、淹れたお茶に自然と入るため、まるでホコリのように見えるのですね。

植物を大切に守ってくれる「産毛」

実はお茶だけでなく、産毛が生える植物は他にもたくさんあります。道端に生えている花や、野菜の苗などの茎や葉が細かい毛で覆われているのを見たことはありませんか?これは「トライコーム」と呼ばれ、害虫を寄せ付けないようにしたり、強風時に水分が失われないようにしたり、強い光から守ったりする働きがあるといわれています。その産毛によって植物が自分自身を守る働きがあるというわけです。

旨みと甘みがたっぷりの新茶の美味しさは毛茸のおかげ?!

お茶の木は冬を越す間に根や古い葉にじっくりと栄養を貯蔵します。
それが少しずつ枝の先端に送られ、新芽が生まれます。つまり新芽には冬の間に蓄えた栄養分がぎゅっと詰まっているのです。ゆっくりじっくり成長した葉には甘み成分であるテアニンがたっぷり。毛茸によって大切に守られ、育ってきたからかもしれませんね。

まとめ

若い新芽に豊富に生えている毛茸。つまり、毛茸が浮いているお茶は若く柔らかな新芽を使った上等なお茶の証拠だといえます。安心しておいしい新茶を楽しんでくださいね。

大井川茶園のお茶

大井川茶園のお茶は若い新芽のみを使った静岡産最上級の新茶です。前年の秋からひと冬越えて蓄えられた大地の恵みをたっぷりと吸い上げたやわらかでふっくらとした極上ものを丁寧に摘み取りました。選ばれた極上の新茶の味と香りをお楽しみください。