緑茶って何?煎茶、深蒸し、玉露、抹茶・・・何が違うの?
日本のお茶といえば一般的には緑茶がよく知られていますよね。普段何気なく飲んでいる緑茶ですが、そういえば「煎茶」もあるし「玉露」もあるし・・・何が違うんだろう?と思ったことはありませんか?同じ「緑茶」という名前ですが加工方法の違いよっていろいろな種類があるのです。今回は代表的な緑茶の種類の違いに注目してみたいと思います。
緑茶とは「不発酵茶」の総称
ところで改めて考えてみると、緑茶って何だろう?という疑問がわいてきませんか?何を指して緑茶と呼ぶのでしょうか。
前回の記事でもご紹介していますが、お茶の種類の違いは製造工程の違い、もっと言えば発酵度合いの違いによります。
お茶の木から摘み取られた茶葉は、そのままの状態であれば茶葉に含まれる酵素の働きにより発酵します。この発酵を止めて作るのが「不発酵茶」。煎茶、玉露、番茶、抹茶などさまざまな種類の不発酵茶をまとめた呼び名が「緑茶」なのです。
代表的な緑茶の種類
次に、日本でよく飲まれている代表的な緑茶についてそれぞれ見ていきましょう。
煎茶
緑茶の中でも最も流通量が多く、一番よく飲まれているのが煎茶です。製造方法も緑茶の中でもっとも一般的です。
まずは摘んだ茶葉を10秒~1分ほど蒸します。加熱することで発酵を止めるのです。
その後、少しずつ水分を飛ばし、乾かします。茶葉の中の水分を均一にし、茶葉の形を整えるために何度も揉むことを繰り返して作られます。
煎茶の特徴
すっきりとしていて飲みやすい味です。また、山吹色の澄んだ色と、程よい渋み、さわやかな香りも大きな特徴ですね。日本で緑茶といえばこの煎茶を指す場合が多いと思います。もっとも親しまれているお茶といえるでしょう。
深蒸し茶
深蒸し茶はその名のとおり「深く蒸したお茶」。煎茶を作る工程の中の「蒸し」の部分を普通の煎茶より2~3倍長くしたお茶です。深蒸し煎茶と呼ばれることもあり、製造工程自体は煎茶と同じです。
深蒸し茶の特徴
蒸す時間が長いことで、茶葉から出る成分が多くなり、渋みが抑えられて甘みが増します。ただし新鮮な香りや爽快感は少なくなります。
淹れたお茶は煎茶よりも濃い緑色になるのが特徴。製造中に葉が細かくなりやすいので粉が多く、それが色として茶液に出てくるためです。
静岡県中部が発祥の地ですが、この地域のお茶は日照時間が短いため渋みと苦味があり、上級のお茶として扱われなかったようです。そのため深蒸し製法が開発され、広まったといわれています。
玉露
玉露の最大の特徴は「日光を遮って栽培された」ということ。一般的な緑茶は太陽の光を当てて育てます。しかし玉露は新芽が出たころ、または収穫の約3週間前から茶園に覆いをかけ、日光を遮りながら育てるのです。
なぜこんなことをするかというと、茶葉の光合成の働きを抑制するためです。茶葉に日光があたり、光合成が起こると、渋み成分のカテキンが増します。逆に光合成を抑えると旨み成分のテアニンが増え、渋みの少なく深いコクと旨みを持つお茶になるのです。
玉露の特徴
そのようにして作られた玉露は深い旨みとコクがあります。また、覆いをかけて栽培すると「覆い香」と呼ばれる独特の香りが生まれます。このように栽培から手間ひまかけて作られた玉露は高級茶として知られています。
抹茶
抹茶はまず碾茶(てんちゃ)を作るところから始まります。碾茶とは、玉露と同じく日光を当てずに栽培された茶葉の新芽を蒸して乾燥させて作られるお茶。煎茶などは「揉む」という製造工程がありますが、それをせずにそのまま乾燥させたのが碾茶です。そして碾茶から茎や葉脈の部分を取り除き、粉状にしたものが抹茶なのです。
抹茶の特徴
碾茶を細かく挽いて作られた抹茶はお茶の栄養がまるごと詰まっているといってよいと思います。
また、今まで見てきたお茶と、抹茶の飲み方は全く異なります。専用の道具を使って泡立てながら溶かして飲みます。そのため普段から飲用として飲んでいる方は少ないと思いますが、渋みや苦味の中にもお茶本来の甘みが楽しめるお茶です。
まとめ
同じ緑茶でも栽培方法や製造方法に様々な違いがあることがわかりました。違いがわかると、より自分好みのお茶を楽しめるようになりそうですね。また緑茶はお客様へのおもてなしとして使われることもよくあります。相手の好みに合わせたお茶選びにもぜひ参考になさってください。
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