お茶にまつわるエトセトラ
古くから日本で親しまれてきたお茶。長い年月の中で人々の間には、お茶にまつわるさまざまな話が生まれました。現代の科学でもしっかりと証明されているおばあちゃんの知恵袋的なものから、迷信のような話まで、お茶にまつわるエトセトラをご紹介します。
■茶柱が立つとなぜ縁起がいいの?
茶柱として立つのは、葉ではなく茎の部分なのでまず「棒茶」という茎の部分を使ったお茶である必要があります。しかも、急須の網目から運よく滑り出さないと湯呑に入ることはなく、さらには「茶柱が立つ」となると、奇跡とも呼べる偶然が重ならない限り起きにくいことから、縁起が良いと言われているようです。ちなみに茶柱が立ったことは、人に言わない方が良いとも言われています。
■宵越しのお茶はなぜ飲んではいけないの?
夜に急須に入れたお茶の飲み残しを次の日の朝に飲んではいけないと聞いたことはありませんか?これは、茶葉にカビが繁殖したり、お茶に含まれるタンニンが刺激の強い酸化物に変化しカラダに良くない作用をもたらすからと言われています。緑茶の色が緑色から黄色に、さらには茶色に変わっていたら、タンニンが酸化している証拠です。
■お茶を1日に何杯飲めば、1日のビタミンCが補える?
緑茶には、100g中250㎎のビタミンCが含まれていると言われています。一人分はおよそ5gの茶葉を使うので、1回で12.5㎎のビタミンが摂取できます。成人が1日に必要とするビタミンCは100㎎なので、約8杯飲めば1日分のビタミンCを補えることになります。お茶以外からもビタミンCは摂れるので、朝昼晩と食事の度に飲むだけで、効率的にビタミンCを補給できそうです。
■お茶の色は緑なのに、なぜ茶色なの?
緑茶は綺麗な緑色をしています。ではなぜ「茶色」は緑色ではないのでしょうか?実は、昔の緑茶の製造工程は今とは異なり、茶葉の色が「茶色」だったからです。昔は乾燥という工程がなく、茶葉を発酵させていました。発酵した茶葉は茶色く、煎じたお茶の色も茶色だったため、「茶色」になったと言われています。
■茶畑はなぜ蒲鉾の形をしているの?
お茶の木の多くは、蒲鉾型に剪定されています。伸び放題の枝から茶摘みをしていた時代もありましたが、お茶の普及とともに茶畑というものができ、伸び放題の木をよじ登って茶摘みをすることが困難になったため、摘みやすいように枝を切りそろえたところ、枝の生育が非常によくなり今のスタイルに近づいたと言われています。その後、摘める面積が広く機械の刃型にもフィットする蒲鉾型になりました。
(まとめ)
いかがでしたか?人々の暮らしに欠かせないお茶にまつわる話は、実に多彩で面白いものがたくさんありますので、みなさんもぜひ探してみてくださいね。