【ワンランク上のお茶の楽しみ方】自宅で作ろう、フレーバーティ(紅茶)。
アールグレイやアップルティ、レモンティにローズティ…。紅茶の世界では、茶葉にフルーツやハーブの香りを付加したフレーバーティが数多く販売されています。フレーバーの数だけ種類があり、また複数のフレーバーをブレンドすることで無限に種類が増えていくのが特徴です。自由なアレンジが楽しめる紅茶の魅力を体現した存在だと言えるでしょう。そして、このフレーバーティは、簡単なものなら自宅で作ることが可能です。気軽にアレンジを楽しんでみるのはいかがでしょうか?
1.フレーバーティとは?
茶葉にフルーツや花の香りを付加したお茶のこと。中国で作られていた正山小種という紅茶に松の木を燃やした煙のフレーバーが付き、ラプサンスーチョンというお茶が誕生したことが発祥と言われています。その後、天然香料の発展とともに様々なフレーバーティが開発されてきました。また、茶葉に香りを付加する方法も多様化し、香料を茶葉に噴霧するもの、花や果物をそばにおいて香りを吸収させるもの、乾燥させたチップを茶葉に混ぜるものなど、様々です。まずは代表的なフレーバーティをご紹介しましょう。
【最も有名なフレーバーティ/アールグレイ】
茶葉にベルガモット(柑橘系の果物)の香りを付加して作られたフレーバーティ。原料茶葉はキーマン紅茶を使うことが多いですが、特に決められているわけではありません。様々なブランドがオリジナリティを追求した商品を販売しているので、風味の違いを体験してみてはいかがでしょう。
【柑橘系フルーツの定番/オレンジティ・アップルティ・レモンティ】
柑橘系フルーツのフレーバーティは、世界的にも不動の存在。オレンジティは甘さが、レモンティはスムーズな飲みやすさが、アップルティは2系統の風味(甘い香りの青りんご・酸味を感じる赤りんご)が、それぞれ人気の秘密。その他、柑橘系ではないもののピーチティやストロベリーティなども人気です。
【花のフレーバーティ/ジャスミンティ・ローズティ】
ジャスミンティは、古くから中国で親しまれているフレーバーティです。口から鼻に抜けるほのかなジャスミンの香りと、さっぱりとしたのみ口が特徴。リラックス効果もあります。ローズティは、口に含んだ時に薫る紅茶と溶け合った甘い風味が人気。美容と健康に良いお茶としても知られています。
【個性的なフレーバーティ/バニラティ・キャラメルティ】
独特の甘い香りが楽しめるバニラティ。ビスケットやクッキー、ショートブレッドなどのティフードとも良く合います。キャラメルティの特徴は、クリーミーな香り。ミルクティにすれば、より美味しくいただけるでしょう。この他、アーモンドティやミントティも人気の高いフレーバーティです。
2.自宅でフレーバーティに挑戦してみましょう。
フレーバーティは大きく2種類に分かれます。香料や精油を噴霧する「フレーバードティ」と、花・果実・香辛料などを混ぜて香りを茶葉に吸収させる「センティッドティ」です。前者の代表は、アールグレイ。後者の代表はジャスミンティやローズティ。フレーバードティは難しいですが、センティッドティならご自宅でも簡単に楽しめます。
【フルーツティの作り方】
レモンやオレンジ、柚子といった柑橘系フルーツの場合は、乾燥させた果皮を茶葉に混ぜるだけ。皮ごと水洗いをしたフルーツをスライサーにかけ、ペーパータオルにくるんで乾燥させましょう。乾燥時間は屋外なら1日、屋内なら2~3日程度。風通しの良い場所を選んでください。乾燥が終わればハサミで細かくカットし、茶葉と混ぜ合わせて抽出すればフルーツティの完成です。
【バニラ・アーモンド・ミントティの作り方】
スーパーなどにも置いてある、市販のオイル(バニラエッセンスなど)を使えば簡単にフレーバーティが楽しめます。茶葉にオイルをかけるのではなく、紅茶を入れたカップにオイルを数滴落としてください。ちなみにバニラエッセンスは自作も可能。こだわりたい方は、オイルを作るところから始めてみてください。ミントの場合は、紅茶を淹れる際に葉を直接入れても香りが出ます。
今回はフレーバーティについてお話してきましたが、最後に番外編をひとつお話しします。紅茶に何かを混ぜて新しい風味を楽しむということであれば、日本茶や中国茶とのブレンドもお勧めです。香りを付加するフレーバーティとは違って味も変化しますが、元々は同じチャノキから作られるのですから合わないわけはありません。
例えば玉露をブレンドすれば、深い甘味が加わり、紅茶の渋みをやわらげてくれます。ほうじ茶をブレンドすれば、香ばしい香りが紅茶によくなじむでしょう。青茶(ウーロン茶)をブレンドすればフルーティな香りが加わりますし、紅茶(中国茶の紅茶。キーマンやユンナンなど)をブレンドすればスモーキーな香りでオリエンタルな印象を楽しめます。その他、シナモン・カルダモン・ナツメグ・クローブ・ジンジャーなどのスパイスを加えても味や香りが大きく変化します。紅茶は自由度の高い飲み物ですから、色々試してぜひ自分だけの1杯を見つけてみてください。