おいしい淹れ方を知って、新茶をもっと楽しみましょう。
皆さま、こんにちは。5月も半ばになり、1年に1度だけの新茶を楽しめる時期になりました。大井川茶園では、ただいまご注文いただいた新茶を順次発送中ですが、ここではお手元に届いた新茶の「正しい楽しみ方」をご紹介したいと思います。
新茶とは?
新茶とは、その年の最初に収穫した新芽で作ったお茶のことです。「一番茶」と呼ばれることもあり、それ以降摘み採った時期によって「二番茶」「三番茶」、秋口に摘んだものを「秋冬番茶(しゅうとうばんちゃ)」と言います。新茶の魅力は、何と言っても「若々しい香り」と「まろやかな甘さをともなう旨み」。時々、「新茶は香りだけで味がしない」という方がいらっしゃいますが、それは正しい淹れ方をご存知ないだけ。本当の魅力を知れば、きっと毎年この時期が楽しみになることでしょう。
新茶ならではの甘み。
お茶に甘みを感じる理由は、テアニンというアミノ酸成分を含んでいるから。前年の摘菜(茶摘み)から長く栄養を蓄えてきた芽にはこの成分が多く含まれ、「二番茶」「三番茶」になるにつれテアニンは減っていきます。新茶に甘みがあることは、科学的にも立証されていると言えるのです。※テアニンが減った「二番茶」「三番茶」には、カテキンが増えていきます。カテキンは苦み成分ですが、苦みもお茶の味を決める重要な要素。甘みが減った分、深い味わいを持つお茶になっていくのです。
新茶は、「ぬるいお湯」で。
水道水の場合は、一度水を沸騰させてカルキ臭を抜きましょう。その後湯冷ましし、70~80度にして急須へ(沸騰したお湯を湯のみに淹れ、1分20秒程度待てば80度ほどのお湯になります)。テラニンは50度程度で抽出できますが、カテキンは80度程度にならないと抽出されません。新茶ならではの甘みを楽しむためにも、「ぬるいお湯」でじっくり抽出してみてください。抽出時間の目安は30~60秒。その後急須を2・3度回して茶葉を開かせ、しっかり味を出します。湯のみにお茶を淹れる時は、急須を振って最後の一滴まで注ぎ切りましょう。最後の一滴まで出し切ることで、二煎目も美味しく楽しむことができます。
いかがでしたか?新茶のおいしい淹れ方をご理解いただけたでしょうか?ぜひ実践して、静岡・大井川のお茶をもっともっと楽しんでくださいね。